クロスレビュー

■ 米国漫画項 交差書評

「米国漫画項」の「交差書評」では既に翻訳刊行されているアメコミに対してレビューし,評価していきます.某「ファ○通」の真似とか言わないでください.そのとおりなんですから(笑)

レビュワーはタイトルによって異なることもありますが,Lee,吉田司郎,ふぉーりん。,えむはし軍曹,DIEの5名がメインレビュワーをつとめます.自分もレビューに参加したい!という方は点数(10点満点)と原稿を300字以内でお送りください.既にレビュー済みのものでも受け付けますので皆様の参加をお待ちしております.あて先はclan-yashida@jcom.home.ne.jpです.ふるってご参加ください!

得点は末尾に平均点として出されます.標準偏差は点数のバラつきのことです(この値が高いほど人によって評価が違うということを意味します.)

■ スーパーマン/バットマン 3巻(小学館プロダクション)

1997年刊行.小学館プロダクション.DCスーパーコミックシリーズの3冊目.スーパーマンは2,3巻に引き続きTHE MAN OF STEEL #5.#6を収録.John Byrne.自らのドッペルゲンガーとの戦いを経て,出生の秘密が明かされる.一方,バットマンは飛んでBATMAN #575,#576を収録.YEAR ONEの続編的シリーズ,YEAR TWOシリーズを収録.WriterはMike Barr. PencillerにExcaribur, CLANDESTINEのAlan Davis, そして,Spawn, Spiderman のTodd McFarlane.20年ぶりにゴッサムシティーに帰ってきた死神,リーパーとの戦いが描かれる.リーパーに対抗すべく裏社会の人間達が用意したのはジョー・チル.バットマンの両親を殺害した男だった...

吉田司郎
プレミアついてるのとラナに免じて4点
吉田司郎

4巻が出るはずだったけど、諸々の事情で出なかったので、プレミアがついている3巻です。見つけたらマストゲットな一品です。4巻が出るはずだったから、いいひき具合で物語が終わってたり、連載エッセイ物が"つづく"となっていたり読者心をわしづかみにしてくれます。見所としては、バットマン:リーパーて20年ぶりに帰ってきたという悪漢が出てくるんだけど、これ本当に20年前にのバットマン誌にでてくるんだよね。リニューアル前のだから設定違ってほのぼのとしたキャラらしいんだけど。あと、ジョー・チルというバットマンの両親を殺したやつが出てくるのもファン泣かせ。スーパーマン:もうラナの話が涙なくては見れません。そんなに都会の女がいいのか!クラーク!!着てはもらえぬセ〜タ〜を〜涙ながらにあんでます〜♪

ふぉーりん。
4
ふぉーりん。

痛い。とにかく痛い。その主な原因は発売されるはずだった4巻が発売されなかったこと。2匹目のどぜう「バットマン・イヤー・ツー」も巻末の「DCコミックスの歴史」もつづくと言って続かなかった。あと映画「バットマン・フォーエヴァー」の解説とか「WBスタジオストア」の紹介とかも痛い。個人的に作画のジョン・バーン(スーパーマン)もトッド・マクファーレン(バットマン)も好きじゃないのでほとんど見所無し。ネタのつらさを何とかしようとがんばっている小プロのがんばりに2点。その他トータルでプラス2点。すんません。

Lee
6
Lee

スーパーマンに至っては、今作により完結。これで一応の再生は完了になるが、バットマンの方は肝心の両親を殺した男との確執が終わらないまま未完となっているのがなんとも歯がゆいところ。とはいうものの、前巻とのつながりはないに等しいので、純粋にバットマンの活躍や、あの独特のストーリーの運び方を楽しむ分には申し分ないと思います。一方スーパーマンの方は、偽スーパーマンの登場が少々話題性を追ったもののように感じられるが、実父などの出現で、一応まとまった内容になっていて、スーパーマンの大切な部分は(前作を含めて)これですべてフォロー出来るかと。でも、実写版の紹介文がなんだか否定的なので、僕的にー1点です(笑)。

えむはし軍曹
5
えむはし軍曹

ごめんなさい.トッド・マクファーレンが嫌いなんです(泣).すいません.それだけで評価が下がってますのでトッド好きは3点追加してください.まぁ惜しむらくはこれ,小プロ唯一の予告なし尻切れトンボなんですね.まずその事実に減点.スーパーマンは旧ビザロことドッペルゲンガーの悲しい存在が胸をうちます.バットマンは絵が嫌いなんでノーコメント(笑).で,今回から小野耕世大先生のコラムが連載開始!っていうかこれで打ち切りなんですが(笑).このコラムで引用されるクジラを食い「ふむ.ゴムのようだ!」と呟くロビンが頭から離れません.この強烈な1コマだけで買いでしょう(笑).うーん.全然建設的なレビューじゃないな(苦笑)

DIE
8
DIE

スーパーマンは前半、彼自身をコピーした敵が登場。創造主のレックスがスーパーマンが宇宙人であるコトを知らず、不完全なコピーとなる設定は面白かった。後半は、スーパーマンが自分の出生の秘密を知り、新たな決意をするエピソードだが、ドラマチックに欠け少々退屈。バットマンは、ジョーカーやペンギンに見られるようなサイコパスが登場。一般的なバットマンのエピソードと言えるのでは。両タイトルとも、ある意味己自身との対決と言う構図になっており、前2冊よりらしさが出ていたと思う。

rohikia
8
ロヒキア

バットマン・イヤー2は前作で戦士として、誕生したバットマンがいかに拳銃を取り、そして放棄したかというテーマであり、自警団の考えに深く関わるので、尻切れトンボで終わってるのがとても残念。イヤー1から続く流れは、イヤー2の後にでたリーパー2代目の話で完結するので、ここではトータル的な判断は避けた方が良いように思う。もちろん各エピソード毎に描くべきテーマをキチっと描いてるので他を読んでないから、中途半端であるという印象は避けられてるが。マクファーレンの絵はクセがあるが、後にスポーンに受け継がれ、更に様々なアーティストが模倣してという点でエポックな印象。リーパーのキャラは、後にアニメの映画版のキャラ、ファンタズマに受け継がれている。

スーパーマンは3枚目のビザロが悲劇なモンスターとして描かれるのは昔からのファンには賛否を呼ぶ感じであるが、個人的には良いと思われる。(最近は最初のキャラに戻っている)自分のルーツの発見やラナ・ラングとの別れは、映画と同じく等身大として描かれたクラークが、自らがスーパーマンであることを自覚するという結末であり、オリジン物語としては比較的良く出来ている。ニール・アダムスの影響を受けているバーンが描くスーパーマンは、伝統的なアメコミ絵として、このエピソードを描くにふさわしいアーティストと思う。

作品の完成度はとても高くとも、2キャラクターを同時掲載しなくてはならない事情があった為、本としては非常にちぐはぐな感じを受ける。よって、スーパーマン5点、バットマン5点、本の体裁で−2点。全部で8点と評価します。

レビュアー6名.平均点:5.8 標準偏差:1.8

レビュー履歴

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