クロスレビュー

■ スーパーマン/バットマン 2巻(小学館プロダクション)

1996年刊行.小学館プロダクション.DCスーパーコミックシリーズの2冊目.同誌1巻の続きである.バットマンはBATMAN #406,#407を収録.Frank Miller&David Mazzucchelli.YEAR ONE完結編.キャットウーマン登場.スーパーマンはTHE MAN OF STEEL #3.#4を収録.引き続き,John Byrne&Dick Giordanoのコンビ.バットマンとの出会い,そして宿敵レックス・ルーサーとの出会いが描かれる.

吉田司郎
やっぱり3
吉田司郎

バットマン:イヤーワン渋いです。警察は腐敗してるわ、ゴードンは身重な奥さんがいるくせに不倫とかしちゃってるわ、もう最高です。勧善懲悪ととらわれがちなアメコミにこういう人間のエゴ、暗黒面という現実的な描写を入れたのは感服いたします。アートもマッツァケーリが渋くていいんだよね。スーパーマン:バットマンとの共演です。2人とも設定が変わったので湾曲した友情が描かれています。ビッグな2人の共演の割に、敵がマグパイというマイナー系なんだよね。それが不思議。ミスターLもキングピンみたいでちょっと違和感あり。悪の天才科学者ていう設定が好きだったのになぁ・・・

ふぉーりん。
7
ふぉーりん。

お堅い論調で言いたいことは前回で言ってしまったので、今回はファンとして片寄った視点から。まず「バットマン・イヤー・ワン」の完結で10点満点。スーパーマンとバットマンの共演で5点。2大ヒーローのバイオグラフィで6点。マグパイのコスチュームでマイナス8点。ということで13点だけどさすがに多いので半分とちょっと多めの7点。

Lee
6
Lee

前巻からの続編なので、前作を読まれた方は+1点。それぞれのサイドをかためる名脇役&悪役が誕生する過程を知るのにも必読の一冊であります。あと、早々に両ヒーローのクロスオーバーが読めるのと、それによるお互いの正義感の捉え方や、超能力の有無による戦い方などの違いを比べられる興味深いエピソードも必見。そういう意味では、前巻よりも見所は盛沢山かも。その他にも両ヒーローのパーソナルデータ、DCヒーローの紹介、新しく描き直されるに至った過程、新生により変更された過去の設定との比較など今までDCヒーローになじみのなかった方には新しい発見があるかも。でもやはり続編なので、十分に楽しみたい方は前巻からどうぞ。

えむはし軍曹
7
えむはし軍曹

いやぁ,いいね「バットマン:イヤーワン」.この地味で人間味があって弱さもあるヒーロー像はたまらんですよ.ゴードンの描写とかも泥臭いしね.ハードボイルドとはバットマンのためにある言葉ですな.もうバットマンについては両手あげての大絶賛です..が.スーパーマン.うーん.いまいち面白いところが分からんです.既にスーパーマンについてはステレオタイプ的なイメージが根強いのですが,それを払拭することもなく普通にスーパーマンです..もっと悪い子でもいいんじゃないかと.バーン先生にはもうちっと冒険してもらいたかったなぁ..どうでもいいけど空き時間に筋トレのロイスは萎えます(泣)

DIE
4
DIE

前巻同様バットマンはダークな雰囲気で進み、いかにしてゴッサムシティの番人になっていくかの過程が描かれている。また、今回キャットウーマンが初登場(正体の女性は日本語版1巻で登場済み)している点も見逃せない。ただ、個人的に彼女に対しては映画版の設定の方が好きなので馴染めませんでした。スーパーマンは前半、ゴッサムシティにてバットマンと方法論の違いを通じて共演を果たしている。このエピソード自体は好きなのだが、後半の宿敵レックス・ルーサーとの対立がいまいち好きになれなかった。全体を通じて心惹かれる点が少なく、この点数で。

レビュアー5名.平均点:5.4 標準偏差:1.8