1996年刊行.小学館プロダクション.同社より刊行されていたX-MENやGHOST RIDERなどのマーブル系翻訳コミックの成功を受け,満を持して発刊されたDCコミックの翻訳シリーズ.DCコミックの看板的スーパーヒーロー,スーパーマンとバットマンを併録.いずれも1985年のDCユニバース再編直後のヒーロー再生を描いた作品である.
スーパーマンはTHE MAN OF STEEL #1.#2を収録.ライター/ペンシラーとして,Uncanny X-MENなどのMarvelタイトルで人気を不動のものにしたJohn Byrne.インカーにDick Giordano.この新シリーズでは完全無欠・品行方正の超人,旧スーパーマンに対し人間的な魅力をもつ青年として再生をこころみている.一方,バットマンはBATMAN #404,#405を収録.YEAR ONEと銘打たれたこのシリーズは,DaredevilやDarknight Returnsの鬼才Frank Millerと,同じくDaredevilでMillerと組んでヒットをとばしたDavid Mazzucchelliの強力タッグによるもの.ハードボイルドものを得意とするMillerの持ち味がいかんなく発揮され,闇を背負う男バットマンの鬼気迫る誕生秘話が語られている.
3
吉田司郎
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あまり人気が無くて3巻で終わってしまった(あまりにベタな組み合わせだから・・・?)スーパーマン/バットマンシリーズです。お話的にはヒーローズリボーンのようにリメイクしたオリジンから始まります。長い両者の歴史を丁寧に解説したり、リメイク前、リメイク後のキャラの変遷など、ユーザーフレンドリーに出来ています。お話てきにも名作の誉れが高いイヤーワンが読めてお得かと。で、ほめておきながらこの点数というのは、自分、アメコミの魅力はこのトラディショナルな部分だと思うんですよね、30年とか続いていく歴史がいいと思うので、リボーンみたいにリメイクしていくのはどうかとね・・・。 |
7
ふぉーりん。
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これほどアメコミ入門に適した翻訳本は無いのではないだろうか。それまでの半世紀におよぶ内容を踏襲せずとも、ここからアメコミを読んで何の不自由もない。誕生秘話であるだけに両ヒーローの持ち味が存分に発揮された作品だろう。作品解説等も丁寧だ。だが結果として、「スーパーマン/バットマン」という名の持つイメージによって、日本ではタイトル名だけで倦厭されてしまい、ほとんど購入にまで至らなかったのではないだろうか。企画意図は明確であったが、それをどのように浸透させるか、という部分で結局一般購買層にまで至らなかった実に惜しいタイトルだと思う。 |
7
Lee
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いわゆる第一話です(厳密には各二話分づつ)。現代人向けに新設定で新しく描かれたものなので(本書の前書きにもありますが)予備知識がまったくなくても楽しめます。スーパーマンはストーリーを追うだけでもそこそこ楽しめますが、バットマンは少々癖があり、好みの分かれるところ。とはいうものの、元祖スーパーヒーローのサクセスストーリーが細かく描かれているので、読んでおいて損はありません。絵柄的には古くささが少々残るも、味のある絵柄で、各ヒーローを十二分に表現しております。とにかくスーパーマン&バットマンを読みはじめるのに十分な一冊でしょう。ファンの方は、+1点で。 |
8
えむはし軍曹
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正直いうとこの1冊だけじゃあんまり面白くないんです(笑).いずれも第1話ですので物語的重厚さが希薄な点は否めませんが,John Byrne,Frank Millerともに今後の方向性を決定付けるキャラクター設定を作り上げたということを評価.特にバットマンのダークなイメージはFrank Millerでなくては出せない持ち味.いずれも荒唐無稽でない人間的キャラクターを作り出そうという姿勢に感服しました.ただ,DCを代表するヒーローとはいえ,この二人の温度差はかなりのもの.1冊に収めるのは無理があるような気がしました.個々の作品については10点でも文句ないと思います. |
7
DIE
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誰もが知ってるスーパーマンとバットマンの各タイトルを(当時)現代的にリメイクした作品。コレを読んで両作品とも「知ってたようで、知らなかった」設定やエピソードが数多くあるコトを実感。解説ページにて、旧作との相違点がそれぞれ説明されており、コレによりリメイクするコトの必然性が窺える。点数中2点は、個人的にはDC系キャラへの思い入れは薄いのだが、日本語版とは言え主にMarvel社の翻訳版を出していた小プロからDC社のコミックが出版されたと言う記念すべき1冊という意味を込めている。 |
レビュアー5名.平均点:6.4 標準偏差:1.9
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